介護施設と潜在看護師

ますます進行する我が国の高齢化の波に対応するため、全国津々浦々において介護施設が次々と発足されています。ところが、その分野における人材の状況は決して芳しくありません。人材不足からの悪循環によって、スタッフ一人にかかる負担も大きく、激務であるという触れ込みが一般的になってしまっています。人材の枯渇に対応するために、外国人労働者に門戸を開いている数少ない分野でもあります。

しかしその一方で、看護師の新たな働き場としても注目されているのをご存知でしょうか。そもそも看護師業界においても、同じように人材が足らず病院施設は医療の担い手の確保に一苦労も二苦労もしています。人材がどうして足らなくなってしまうのかと言えば、やはり医療施設における夜勤という働き方の強制によって、どうしても働くママナースが職場を離れていってしまうためでしょう。いわゆる潜在看護師の数は年々増加しており、いかにこうした人材を淀みなく復職させるかが今後の課題となっています。そんなとき、介護施設というものが役に立つわけです。というのも、老人ホームや特別養護施設などといった施設においては、一般的な病院と違って一刻一秒を争うような看護をする必要がなく、より患者に寄り添った基礎的な看護の実践をすることができるからです。すなわち、しばらく看護業界から離れていてブランクがあったとしても、基礎からまた看護を落ち着いて学ぶことができるため、介護施設には看護師の復職先としてピッタリの環境が整っているのです。